
企業研修やオンライン教育において、eラーニングシステムは既に標準的な教育手法として定着しています。特に動画コンテンツを活用した学習は、従業員教育における主要な知識伝達手段として広く採用されています。
しかし、動画コンテンツを効果的に配信・管理するためには、技術的な課題への対応が必要不可欠です。今回は、eラーニングシステムを提供する企業様からご相談いただいた、動画配信における技術的課題の解決事例をご紹介します。
- 関連サービス
- 動画配信サービス 設計/構築(ホスティング)
- システム開発・構築
導入前の課題
eラーニングシステムを提供する企業様では、動画コンテンツの準備と配信自体は問題なく行えるものの、デバイスごとの視聴体験の違いや視聴完了の管理など、動画配信特有の技術的な課題に直面していました。自社での解決を試みられましたが、対応が困難な状況が続いていたため、弊社へご相談いただきました。
具体的には次のような課題がありました。
発生していた問題
- 異なるデバイスで一貫した視聴体験を提供することが困難
- Androidデバイスでは倍速再生機能が正常に動作しない
- iOSデバイスではQuickTimeプレーヤーが自動的に起動してしまう
- 画面上で非表示のシークバーが予期せず反応してしまう問題
機能追加要望
- シークバーを非表示にした上で、スキップ機能を実現したい
既存機能の継承
eラーニングシステムで既に実装されている以下の機能について、新しい視聴Playerでも使い勝手を実現する必要がありました。
- 視聴進捗の管理機能
- 動画の視聴完了確認機能
- 動画の頭出し再生機能
- 倍速再生の切り替えボタン機能
技術的解決へのアプローチ
システム提供企業様との詳細な打ち合わせから、以下の解決策をご提案させていただきました。
動画配信ホスティング
安定した動画配信基盤の構築には、豊富な実績と経験に基づいた設計が不可欠です。システム提供企業様の運用方針に合わせて、CDNを活用した安定性の高いストリーミング配信システムをご提案しました。
詳細は 動画配信ホスティングのサービスページ をご覧ください。
視聴PlayerのUIカスタマイズ
システム提供企業様からいただいた課題を着実にクリアし、新たな要望にも対応可能な視聴環境を実現しました。
- デバイスに依存しない一貫した視聴体験の提供
- 読み飛ばし防止のためのシークバー制御
- スキップボタンの追加実装

バックエンド連携の実装
既存のeラーニングシステムとの連携において、システム提供企業様のAPI仕様に合わせた実装を行い、以下の機能を実現しました。
- 視聴進捗状況をシステム側にリクエスト
- 指定時間からの視聴開始
導入後の効果
システム提供企業様からは、特に運用面での改善効果について高い評価をいただきました。それまで対応に苦慮していた動画配信の技術的課題から解放されたことで、本来の業務に注力できるようになったとのことです。
システム提供企業様の運用負荷軽減
- 動画配信に関する技術的な課題への対応から解放
- 問い合わせ対応やトラブル対応時間の大幅な短縮
- クライアント企業からの新たな要望にも柔軟な対応が可能に
学習環境の改善
- デバイスの種類に関係なく、すべての学習者が同じ品質で学習可能に
- 必要な機能を備えた使いやすい視聴環境の実現
まとめ
専門の技術者によるシステム連携
本事例の成功の鍵は、システム提供企業様の技術者との直接的な対話にありました。既存のeラーニングシステムとの連携において、システム提供企業様の要件、既存システムのAPI仕様に合わせた実装を行うことで、スムーズな動画配信システムの導入を実現することができました。
このような柔軟な対応が可能だったのは、両社の技術者が直接コミュニケーションを取り、課題解決に向けて協力できる体制があったからこそです。システム提供企業様からいただいた要件を的確に理解し、それを技術的な解決策として具現化できたことが、プロジェクトの成功につながりました。
最後に
動画配信技術は日々進化を続けており、eラーニングシステムの品質向上のためには、技術的な専門性と柔軟な対応力の両方が求められます。今回の事例のように、それぞれの専門分野を持つ企業が協力することで、より質の高いサービスを提供することが可能になります。
動画配信に関する課題をお持ちの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。豊富な実績と経験を活かし、お客様に最適なソリューションをご提案させていただきます。
