
動画配信の世界では、配信の目的や規模、対象視聴者によって最適な配信方法が異なります。
同時に、それぞれの配信方法に適した視聴Playerならびに視聴Playerを含むサービスの選択も重要になってきます。
本記事では、主な動画配信の種類と、それぞれに適した視聴Playerやサービスの組み合わせについて解説します。
VOD配信・アーカイブ配信
VOD(Video On Demand)配信・アーカイブ配信 は、ユーザーが好きな時に好きな場所で動画を視聴できる方式です。TVer、Netflix、Amazonプライムビデオ、また「見逃し配信」 と謳っているものなども、VOD配信の一つの形態と言えます。
特徴
- ユーザーのペースで視聴可能
- 高画質な動画を提供しやすい
- 広告挿入やアナリティクスの実装が容易
適した視聴Player
- Video.js:オープンソースのHTML5ビデオプレーヤーで、カスタマイズ性が高く、様々な機能を追加可能です。
- JW Player:高度なカスタマイズが可能で、広告挿入やアナリティクス機能も充実しています。
適した配信サービス
- Brightcove:エンタープライズ向けの動画プラットフォームで、高度な配信、アナリティクス、セキュリティ機能を提供しています。
- flumo:デジコンのVOD配信サービス「flumo」 は、動画ファイルのアーカイブ管理とVOD配信を簡単に行えるサービスです。配信に適した視聴Playerも含めて提供します。
ライブ配信
リアルタイムで動画を配信する方式で、主にスポーツ中継や音楽コンサート、オンライン会議、ウェビナー、eスポーツ大会、製品発表イベントなどに使用されます。
特徴
- リアルタイム性が高い
- 視聴者とのインタラクションが可能
- 配信の安定性が重要
適した視聴Player
- Video.js:オープンソースのHTML5ビデオプレーヤーで、プラグインを使ってライブストリーミング機能を拡張可能です。
- JW Player:高度なカスタマイズ機能を備え、ライブストリーミングやアーカイブ機能も提供しています。
適した配信サービス
- YouTube Live:簡単に設定でき、多くの視聴者にリーチできるため、小規模から中規模のライブ配信に適しています。
- Showcase®:デジコン株式会社が提供するライブ配信サービス「Showcase®」 はプロフェッショナルな品質のライブ配信を実現し、テクニカルディレクターやエンコードスタッフ並びに、視聴Playerを含む専用の視聴ページを提供します。
マルチアングル配信
複数の視点から撮影された映像を同時に配信し、視聴者が好みの角度を選択できる配信方式です。
スポーツイベントや音楽ライブ、舞台パフォーマンスなどでよく使われ、観客が選手やアーティストの近くで見たり、広い視点で全体を把握したりするなど、臨場感や没入感を高めるのに役立ちます。
特徴
- 複数のカメラアングルを同時に配信
- 視聴者が自由に視点を切り替え可能
- スポーツ中継やコンサート配信などに適する
適した視聴Player
- JW Player:マルチアングル配信のための機能をサポートしており、インタラクティブな動画体験を提供できます。
- Flowplayer:マルチビデオストリームを扱う機能があり、視聴者が異なるカメラアングルを選択できるインターフェースを提供します。
適した配信サービス
- yourLIVE:デジコン株式会社が提供するマルチアングル配信サービス「yourLIVE」 で、最大9アングルの映像を同時に配信可能です。視聴者は好みのアングルを自由に選択して視聴できる専用の視聴Playerを利用できます。
ウェビナー・双方向配信
教育やビジネス目的で使用される、参加型の動画配信方式です。 講師がプレゼンテーションやデモを行い、視聴者はチャットやQ&A機能を使って質問やコメントが可能です。
特徴
- 双方向のコミュニケーションが必要
- スライド共有や質疑応答機能が重要
- セキュリティ面の考慮が必要
適した視聴Player
- Wowza Player:カスタマイズ性が高く、ウェビナー向け機能の追加が容易です。
- WebRTC対応プレイヤー:例えば、Jitsi MeetやOpenViduなど、WebRTC 技術を活用した低遅延・双方向通信が可能なプレイヤーがあります。
適した配信サービス
- Zoom:ウェビナー機能が充実しており、参加者とのインタラクションが可能です。チャットやQ&A機能も備えています。
- Webex:Ciscoが提供するサービスで、ウェビナーやオンラインイベントに特化した機能を持っています。参加者との双方向コミュニケーションが可能です。
低遅延配信
リアルタイム性が極めて重要な場面で使用される配信方式です。
映像や音声のストリーミングにおける遅延を最小限に抑えることで、スポーツ中継、ライブイベント、ゲーム配信、オンライン会議など、即時のインタラクションが求められるシーンで利用されます。
特徴
- 極めて低い遅延時間(1秒未満)を実現
- インタラクティブな体験が可能
- ゲーム配信やライブオークションなどに適する
適した視聴Player
- JW Player:JW Playerも低遅延配信に対応しており、特にHLS(HTTP Live Streaming) によるCMAF の低遅延再生が特徴です。
- Bitmovin Player:Bitmovinは、低遅延のCMAF 配信やWebRTC に対応しているため、ライブイベントやスポーツ中継に最適です。ビデオ品質も高く、柔軟なカスタマイズが可能です。
適した配信サービス
- Wowza Streaming Cloud:Wowzaは、WebRTC を使った低遅延配信をサポートしており、企業向けに信頼性の高いライブストリーミングソリューションを提供します。さまざまなカスタマイズオプションとスケーラビリティを備えています。
- Live-Connect@:デジコン株式会社が提供する低遅延ライブ配信サービス「Live-Connect®」 で、最適な経路で配信可能なCDN(Content Delivery Network) と最先端テクノロジーの組み合わせにより、低遅延配信を実現。この低遅延配信サービスでは最適な視聴Playerも合わせて提供します。
VR・360度動画配信
没入型の体験を提供する特殊な動画配信方式です。 特別なVRヘッドセットやスマートフォンを使うことで、まるでその場にいるかのようにリアルな映像を体験できます。
特徴
- 高度な処理能力が必要
- 専用のビューワーやデバイスが必要な場合がある
- インタラクティブな要素が重要
適した視聴Player
- JW Player VR:360度動画に対応したJW Playerのバージョンです。
- Bitmovin VR Player:VRコンテンツに特化した機能が充実しています。
適した配信サービス
- Vimeo 360:Vimeoは高品質の動画プラットフォームで、360度動画やVRコンテンツのアップロード、配信をサポートしています。
- YouTube 360:YouTubeは、360度動画のライブ配信およびオンデマンド配信をサポートしています。YouTube VRと組み合わせることで、幅広いデバイスでの視聴が可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここに記載した視聴Playerや配信サービス以外にも、まだまだ種類はありますが、動画配信の種類によって最適な視聴Playerやサービスが異なることはご紹介できたと思います。
配信の目的、対象視聴者、必要な機能などを総合的に判断し、最適な組み合わせを選択することは重要です。
デジコン株式会社では、お客様の動画配信ニーズに合わせて最適な配信方式と視聴Playerの選定をはじめ、最適なサービスをご提供しています。専門知識や経験が必要な分野ですので、お気軽にご相談ください。
