
近年3DCGの新たな手法として注目されているフォトグラメトリ。
今回は実際にフォトグラメトリ生成事業を行っている企業が、最新の情報をわかりやすく解説します。
1.フォトグラメトリとは
フォトグラメトリとは、3DCGを生成するための手法の一つです。
別名で写真測量法ともいい、生成対象となる物体を上下左右360°全方向から撮影し、その写真を元に3DCGを生成します。
写真からの生成となるため生成されたモデルは非常にリアルな質感となります。また、航空写真等を活用し建造物や広範囲の空間を3DCG化することもでき、様々なシーンで活用されている技術です。
2.フォトグラメトリの歴史
実はフォトグラメトリの元となっている写真測量法の起源は19世紀半ばと、写真技術の確立と同じくらい古く、初期は主に写真画像の縮尺から逆算した距離測量の技術として扱われていたようです。
そこから写真技術の発展やデジタル写真の台頭に合わせて写真測量法も進化し、地理学、工学、天文学など、様々な分野に活用されてきました。
その後、写真測量法の新たな活用方法としてCG分野が注目されました。
CG黎明期には、人の手で全てのCGが作成されていましたが、新たな生成手法として写真測量技術を活用した3DCGを生成するプロセスが次第に確立されていき、現在は写真を元に3DCGを生成する技術全般を「フォトグラメトリ」という呼び方をするに至っています。
3.フォトグラメトリの生成手順
フォトグラメトリの生成手順は、次の2ステップで進行します。
- ワーク(3Dモデル化する対象となる物体のこと)の撮影。
- 撮影した写真から3DCG合成。
フォトグラメトリ生成では撮影された写真のクオリティがそのまま品質に繋がるため、撮影は非常に重要な役割を担います。
逆に、3DCGの合成作業は写真データを元に行われるため、ゼロから3DCGを生成する手法と比べると技術介入の余地が少なく、写真の品質をエンジニアの技術で補うというのはあまり行われません。
4.フォトグラメトリのメリット・デメリットの紹介
フォトグラメトリは非常に優れた3DCG生成プロセスですが、メリットとデメリットが明確な手法でもあります。
フォトグラメトリのメリットとデメリットは以下となります。
メリット
- 写真から生成するため、写実的な3DCGとなる。
- 完全手作業に比べて短時間で生成可能。
デメリット
- 対象物が必要であり、生成物に制約がある。
- 生成のためのソフトウェア以外にもカメラなどの機器が必要になる。
- 光沢や透明感のある物体は不向き。
例:光沢の強い物体や、毛のように非常に微細な物体、液体、透明な物体などは生成が難しい。
5.フォトグラメトリの活用例
フォトグラメトリは写実的な3DCGを生成できることから、非常にリアルな3DCGゲームや映画などの分野で活用されています。
また近年においては2020年の新型コロナウイルスの流行によりVR/AR分野の発展が加速し、新たな活用事例として、例えばバーチャル空間で美術品をフォトグラメトリで再現し展示、アパレル系の商品をARでディスプレイしたりと、メタバース領域でも注目されています。
6.デジコンのフォトグラメトリサービス
デジコンでは長年の撮影ノウハウに基づいた知見と、最新のAIを駆使した生成ソリューションで、短納期で、コストパフォーマンスの良い3Dデータ生成を実現します。
従来のフォトグラメトリは膨大な数の写真から人の手で3Dデータを作成していたため、1つのデータ生成だけでも1週間かかるようなケースがほとんどでした。ですが、デジコンでは最新技術により、その処理を自動化しているため、スピーディなデータ提供が可能です。
これによりスピーディな納品はもちろん、他社では難しい大量受注にも短期間で対応可能です。また、ボリュームディスカウントもご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。
